「貯金が1,000万円を超えたら、銀行口座を分けた方がいい」
こんな話、聞いたことありませんか?
5,000万円なら10口座?1億円なら10口座?
ちょっと待ってください、本気でやるつもりですか?
この記事では「ペイオフ対策で口座を分けるべき」という考え方の誤解や落とし穴をわかりやすく解説します。
「どう資産を守るべきか?」の本質にも迫っていきます。
そもそも「ペイオフ」ってなに?
ペイオフとは、正式には預金保険制度のこと。
銀行が破綻したとき、一定額まで預金が保護される制度です。
1銀行あたり、預金者1人につき「元本1,000万円+利息」までが保護対象。
つまり、同じ銀行に複数口座あっても、合計で1,000万円までしか守られません。
- 1銀行=1,000万円まで(支店を分けても意味なし)
- 10口座=1億円守れるは誤解!
ペイオフ対策で「10口座」は現実的?
仮に1億円を持っていて、ペイオフ対策のために10銀行に口座を持つとしましょう。
- 銀行を10行探す?
- 各口座のID・暗証番号を管理?
- 毎月すべての残高・動きを確認?
・・・ちょっと無理じゃないですか?
あなたの周りに10も銀行ありますか?
ペイオフの正しい理解と付き合い方
同一銀行の複数口座は「合算」される
A銀行の本店と支店に1,000万円ずつ預けても、ペイオフは1,000万円まで。
支店が違っても「法人」が同じなら、合算扱いになります。
別法人なら、銀行グループ内でも「別カウント」になる
例として以下のようなケースがあります:
三井住友グループ
- 三井住友銀行(SMBC)
- 関西みらい銀行
- 三井住友信託銀行(※信託は預かり方法に注意)
それぞれ法人が別なので、ペイオフの対象は各行ごとに1,000万円ずつ。
SBIグループ
- 住信SBIネット銀行
- SBI新生銀行
この2つの銀行は法人が違うため、別々に1,000万円ずつ保護対象です。
金融機関コード(4桁)が異なれば、基本的に「別法人」と考えてOK。
全額保護される「決済用預金」という選択肢もある
実は、無利息・要求払い・決済サービス付きの「決済用預金」は、ペイオフの対象外。
つまり、銀行が潰れても全額保証されるんです。
ただし・・・
- 金利ゼロはインフレに負けやすい
- 利子が一切つかない
というデメリットもあるため、「一時的な資金置き場」向きと言えます。
そもそも現金を寝かせるのがリスク
銀行預金に預けておくと、年利0.1%~0.3%程度しかつきません。
これはインフレ率(目標年2%)に遠く及ばない水準です。
- インフレ=お金の価値が減る
- 銀行預金=利子がインフレに勝てない
つまり、現金を銀行に寝かせておくことが最大のリスクとも言えるわけです。
投資の話は置いておいても、「管理できる範囲」で備えよう
ペイオフを気にするあまり、無理して10行、20行と口座を開設してしまうと、本末転倒です。
- 管理しきれない
- 不正引き出しに気づけない
- 紛失・放置リスクが高まる
それよりも、法人格の違う銀行を3〜5行程度に分ける程度で十分現実的です。
まとめ
ペイオフ対策=リスク分散と管理のバランスが大事
内容 | ポイント |
---|---|
ペイオフとは? | 1銀行につき1,000万円+利息まで保証 |
同一銀行の複数口座 | 合算される(支店分けは意味なし) |
グループ傘下でも別法人ならOK | 法人格が違えば、それぞれ1,000万円ずつ保証 |
全額保証の方法 | 決済用預金(ただし無利息) |
管理のしすぎはリスク | 口座分散は「現実的に管理できる範囲」で |
最後に
1,000万円を超える預金をどう守るか?
それは「ペイオフ制度」だけでなく、「お金の置き場所」全体を見直すタイミングでもあります。
銀行口座だけに頼らず、証券口座・保険・不動産なども含めて自分に合ったリスク分散を考える。
それが本当の意味で「資産を守る」第一歩かもしれません。