FIREとは「経済的自立」や「早期リタイヤ」を意味する言葉です。
欧米を中心に流行した考え方ですが、日本でも注目されています。
「経済的自立」とは、「親元を離れて一人で生活する」って意味ではありません。
会社などに頼らず「自分で生活に必要なお金を稼ぐ」という考え方です。
サラリーマンなど「雇われている人は会社に依存している」という考えです。
FIRE実現の目標は「4%ルール」
FIREを実現するのに必要な目標金額として、資産の「4%ルール」というものがあります。
4%ルールは、生活費を投資元本の4%以内に抑えることができれば、資産を減らすことなく生活できるという考えです。
4%ルールはアメリカの考え方で、米国株式市場の成長率7%とインフレ率3%の差で計算されており、
出費を成長率からインフレ率を引いた4%(7% – 3%)に抑えれば資産が目減りせずに生活できることになります。
事実、過去30年程度の米国株式市場(S&P500株価指数)は平均すると年率8.4%程度のペースで上昇してきました。
4%に抑えれば目減りどころか1.4%増やしながらFIREを実現できることになります。
日本株式市場では無理な考えです、「失われた30年」と言われるほど経済が低迷しています。
ただし、アメリカと日本ではインフレ率に差があるなど状況が異なる部分もあります。
「サイドFIRE」という考え方
サイドFIREとは生活費を全て資産運用のみで稼ぐのではなく、
資産運用を軸に、副業やバイトなど労働収入と合わせて生活する方法です。
例えば、週2~3日は自分の好きなタイミングで副業するなど、ある程度の収入を労働収入で補います。
生活費に月20万円必要なら、資産運用で15万円の収益、バイトや副業で月5万円稼げば、FIREができます。
月20万円で年間240万円、これを全て資産運用でまかなうなら、4%ルールで6,000万円必要です。
副業やバイトで5万円稼げば、月15万円で年間180万円、資産運用で必要な額は4,500万円となります。
FIREのメリットとデメリット
非常に魅力的なFIREですが、FIREを目指すのであれば、メリットとデメリットを理解する必要があります。
FIREのメリット
FIREのメリットとしては次のような点が考えられます。
- 時間や場所に縛られず自由に生活できる
- 会社など社会に属さないので人間関係に悩まない
- 投資など資産運用スキルを得ることができる
FIERの魅力は、自分の好きなように時間を使えることです。
趣味や旅行もやりたいときにできます、住む場所も自由です。
資産運用をするのでお金に関する知識も身に付けることができます。
FIREのデメリット
FIREのデメリットとしては次のような点が考えられます。
- 資産運用が想定通りとは限らない
- 社会復帰が難しい
- 急な出費への対応が難しい
計画通りの資産額を準備できてFIREを実現できたとしても、資産運用で想定通りの運用益を得られるとは限りません。
4%ルールでは毎年4%は確実に運用利益を出さないといけません。
3%しか利益が無くても生活費には4%必要なので、1%分を資産の元本から崩さないといけません。
投資をしている方は理解できると思いますが、資産を取り崩すのは悪手です。
資産運用は元手が減ると増やすのが難しくなります。
他に、人によりますが社会復帰も難しくなります。
FIREに失敗して社会人に戻ろうと考えても、FIREをしている時期は企業にしたらニートと同じです。
FIREの期間が長いほど就職などは難しくなります。
FIREを実現するために必要なこと
FIREを実現するためにはいくつか必要なことがあります。
闇雲にFIREを目指すと失敗する可能性もあります。
生活費を計算する
FIREを実現するために、まず生活費を計算しましょう。
どのような生活をするのか、それにはいくら必要なのか計算が必要です。
家賃や光熱費など毎月の出費だけではなく、年に1回などの出費もすべて計算に入れましょう。
必要な資産額を計算する
必要な生活費が計算できたら、4%ルールに則り、必要な資産額を計算しましょう。
1年間に必要な金額の25倍がFIREに必要な金額となります。
200万円なら5,000万円です。
資産運用を始める
必要な資産額を計算したら、その金額を準備できるよう投資を開始します。
若いうちから投資を始めて長期的な運用をすれば、福利の効果で資産を効率よく増やすことができます。
FIREを達成したいなら少しでも早く資産運用を始めることをおすすめします。
既に目標額の資産を保有していても4%で運用しないといけません。
いきなりFIREを実行するのではなく、4%で運用できる投資スキルも必要です。
FIREに必要な資産額
FIREに必要な資産額の例を下記に記載します。
人によって必要な生活費等は変わるので、絶対的な数字ではありません。
4%ルールで計算しています。
生活費(年) | 資産額 |
---|---|
200万円 | 5,000万円 |
300万円 | 7,500万円 |
400万円 | 1億円 |
500万円 | 1億2,500万円 |
FIREは実現できるのか?
実際にFIREは実現できるのかを考えてみました。
下記が年代別の金融資産額の平均・中央値です。
年代 | 平均 | 中央値 |
---|---|---|
20代 | 165万円 | 71万円 |
30代 | 529万円 | 240万円 |
40代 | 694万円 | 365万円 |
50代 | 1,194万円 | 600万円 |
60代 | 1,635万円 | 650万円 |
70代 | 1,314万円 | 460万円 |
生活費200万円でもFIERには5,000万円必要です。
全ての年代で平均でも5,000万円を超えていません。
この数字を見る限り、FIREは簡単ではありません。
元々欧米から広まった考えなので、日本人には無理なのかもしれません。
少なくとも普通に働いて普通の生活は送っていてはFIREは難しいです。
必死で稼いで、生活を切り詰めれば可能かもしれません。
FIREをするには計画が必要ということです。
FIREを目指すなら若い時から資産運用などをして資産を増やし準備することが必要です。