新NISAで円安が進むか、外貨資産拡大で円売りドル買い

2024年から始まる新NISA

非課税保有期間の無期限化により投資が進むと円売りドル買いで円安になる可能性があります。

新NISA

2024年以降、NISAの抜本的拡充・恒久化が図られ、新しいNISAが導入されます。

新NISAのポイントは下記です。

新NISAで資産運用

新NISAは日本国内への投資だけではなく、海外への投資にも適用されます。

新NISAでの利益は税金(20.315%)が免除になるので、非常に有効な資産運用方法です。

実際に2024年から新NISAを利用して投資を始める人も多くなるでしょう。

ここで思うのは「失われた30年」と言われ経済が停滞している日本の株と、右肩上がりの米国市場ならどちらに投資するだろうということです。

米国市場のほうがパフォーマンスが高いのなら、米国市場に投資するでしょう。

事実、過去30年程度の米国株式市場(S&P500株価指数)は平均すると年率8.4%程度のペースで上昇してきました。

日本国内は経済が低迷しています。

新NISAは利益が出なければ意味がありません、運用利益にかかる税金が免除されるからです。

利益が0やマイナスでは何の意味もありません。

このことから、新NISAを始める人は海外への投資も視野に入れていると思います。

新NISAで円安

そこで問題になるのが為替の円売りドル買いです。

米国市場に投資をする時にはドルが必要になります。

日本の個人投資家は給料などの収入を日本円で受け取っているでしょう。

日本の個人投資家がドルを調達するには円を売ってドルを買う動きになります。

円を売ってドルを買うので、円安ドル高になります。

2024年に新NISAが始まって日本人が自国資産を海外資産に移動すると、

円売りドル買いになって円安ドル高に動く可能性があります。

現在、日本人の資産のうち預金額は1,000兆円ほどと言われています。

1,000兆円ぐらいが銀行預金などで保存されているようです。

仮にこの1,000兆円の1%が新NISAで海外資産への投資にシフトすると10兆円動くことになります。

2022年10月ごろに為替介入した際の金額が6兆円ほどなので、為替介入を超えるほどの円売りドル買いが発生します。

10%ほどが海外資産へシフトすれば100兆円です。

日本の外貨準備金が160兆円ほどといわれていますので、こうなると日本政府では円安を止めることはできないでしょう。

まとめ

もちろん、市場は個人のブロガーが読めるほど簡単でないことは承知しています。

2023年末にFRBは利上げを終え、2024年から利下げをすると、ドルと円の金利差が縮小して円高になり、

それらの円買いと新NISAの円売りがぶつかって、あまり動かない可能性もあります。

最近のインフレによって日銀がYCCを修正して金融引き締めを終了し、ゼロ金利政策の方向を転換すれば

新NISAによる個人の海外資産買いによる円売りドル買いを吹き飛ばす円高になる可能性もあります。

今のところ米国経済は底堅く、利下げは2024年後半と言われています。

日銀もゼロ金利をやめる気はないようです。

NISAは2024年1月から開始、FRBが金利を下げるのは2024年後半。

そうなると、2024年前半はNISAによる円売りドル買いで、円安になるのではないかと思います。

あくまで個人の予想ですが、こういう考えもあると参考になれば幸いです。

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